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無辺草子

散文。雑文。短文。

基地のある町 神奈川県大和市を歩いて

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 「すっごいうるさいです」厚木基地から飛んでくるヘリコプターや飛行機の騒音について、基地に隣接する大和市に住む女性はこう答えた。昨日も今日も飛んでいた。特に先月は多かったという。アメリカ軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」の艦載機がやってきたときの騒音は、海上自衛隊のヘリや飛行機の比ではないらしい。

 14日は「ロナルド・レーガン」が出港しており、アメリカ軍機の飛来はなかった。だが自衛隊機の爆音も場所によってかなり大きかった。厚木基地については、住民から自衛隊機およびアメリカ軍機の飛行差し止め訴訟が提起されているが、その場に立って実際に音を聞いてみると、訴えはもっともだと思えてくる。自衛隊も住宅密集地を避けて飛行しているようだが、翼の下には少なくない数の民家があるし、公園や畑の上を飛ばざるを得ない。

 私は大和市上草柳を1時間歩いたが、その間自衛隊機に15回遭遇した。4分に1機のペースだ。ヘリは低空で旋回を繰り返し、輸送機は着陸態勢で厚木基地方向へ。爆音が止むことはほとんどなかった。長い間聞いていたおかげで一時的に雑音に強くなり、帰り際に通った夜の新宿の喧騒が、耳に心地よく感じられた。怪我の功名である。

 上草柳の公園では小学校低学年の子どもたちが遊んでいた。騒音について尋ねると、急に真面目な表情になって、怒りを湛えた様子で「うるさい」と答えた。ヘリコプターが飛んできても、まるで気にせずに遊んでいるように見えたけど、あの子どもたちは、本当はいっぱい我慢しているのだろう。

 厚木基地周辺の人たちが騒音に煩わされずに暮らせるよう、アメリカ軍と日本政府にはできるかぎりの手を打ってほしいと思う。